TouchMIDI32

TouchMIDI32は、静電タッチセンサに触れたときUSBからMIDIを出力する電子基板モジュールです。
製品の状態でファームウェアも書き込み済みなので、タッチ用の電極をハンダ付けするだけで、手軽にオリジナルのタッチ操作によるMIDI Controllerを製作することが出来ます。

なお本製品は、現在販売中のTouchMIDIから値段を据え置きしたまま、TouchSensor数が10から32に増えた改良版です。



【特徴】
・Cypress社のCapSenseテクノロジーによる静電タッチセンサーを搭載。
・USB MIDI送信が可能なUSB microB端子付き。
・楽器などに実装しやすい100mm×23mmの細長サイズ。
・USBによる給電なので電源の必要なし。
・32個の静電タッチセンサーにC3からG5までの音程を半音単位で割り当て、USBにMIDI出力するファームウェアが書き込み済み。
・KitProgなどでPSoC4にプログラムを書き込めるので、PSoC4の開発ボードとしても利用可能(プログラム書き込み用端子付き、UART/I2C/GPIO等も利用可能)。
・筐体などへの取り付け用に74mm間隔の二つのネジ穴あり。
・電源選択用のピンヘッダ、ジャンパスイッチ付属。



【内蔵ファームでの使い方】
・P9で電源の選択を行います。付属のピンヘッダをハンダ付けし、1番ピンと2番ピンを付属のジャンパスイッチで直結すれば電源はUSB給電の5Vとなります。
・P1〜4の32個の端子に電極を繋げます。(銅箔テープを1cm単位に切って、端子とケーブルで繋げてハンダ付けすると、お手軽にタッチ用の電極が作れます)
・USB microBケーブルで、PCと接続します。
・PCでMIDI動作する音源のアプリを立ち上げれば、電極にタッチするだけでMIDI出力され、PCから音を鳴らすことが可能です。


<<!!注意!!>>
P9に挿すジャンパスイッチで2番ピン3番ピンを繋げると、電源とグランドがショートしてしまい、基板が破損する場合があります。間違って繋げないようご注意ください。


【使用例の動画】



【回路図】
以下が本製品の回路図です。
各ポートの説明です。
P1 - P4: 合計32本の静電タッチセンサ用ピンです。各ピンにMIDIの各音程が割り当てられています。
P5: ファームウェアの書き込み用ピンです。PSoCマイコンのSWDに準じています。
P6: PSoCでは各ピンに自由に機能をアサインできますが、出力用ポートとして使うことを想定しています。
P7: PSoCでは各ピンに自由に機能をアサインできますが、入力用ポートとして使うことを想定しています。
P8: PSoCでは各ピンに自由に機能をアサインできますが、1番ピン:I2C-SCL, 2番ピン:I2C-SDA, 3番ピン:UART-Rx, 4番ピン:UART-Tx として使うことを想定しています。
P9: 電源選択用のピンです。1番ピンは回路全体の電源、2番ピンはUSB供給の5V電源、3番ピンはGNDです。上で説明したように1番と2番を短絡すれば5Vで動作しますが、3.3Vなど他の電圧で動作させたいときは、三端子レギュレータなどの回路を外部に作成し、接続してください。



【ファームウェア】
ファームウェアはCypress社が提供している統合環境PSoC Creator上で実行するファイルとして記述されています。なおペリフェラル用のドライバソースはPSoC Creatorが自動生成するため、ソースファイルが非常にたくさんありますが、実際に私が開発したのは数ファイルのみです(ファイル名に"tm32_"という接頭語が付いています)。

Github ( TouchMIDI32_firmware ) へのリンク

PSoC Creatorへのリンク

・PSoC4の型番は CY8C4246AZI-L445 、内蔵CPUは48MHz ARM CortexM0です。
・上記TouchMIDI32_firmwareのWorkspaceには、複数のプロジェクトがあり、TouchMIDI32には、bootとmainの二つがインストールされています。
・最初にbootだけSWD経由で書き込めば、USB接続だけで専用インストーラーにてmainの実行ファイル(.hex)を書き込むことが可能になります。



【出荷作業の様子】
基板製造、部品実装は業者に発注しましたが、そこから上がってきたモジュールにプログラムを書き込み、検査してから出荷しています。ここでは、簡単にその様子を紹介いたします。

以下の写真は、ピンヘッダをハンダ付けしなくても、基板にプログラムを書けるようにするための道具や治具です。

電源のピンは小さな治具をクリップで挟んで、P9の電源端子を短絡させます。

書き込み用のP5ポートに治具を片手で押し付けたまま、もう一方の手でPCを操作して、プログラムを書き込みます。

書き終わったら、USBをPCに接続し、各端子に触れてMIDIが出力されるか確認します。またポートの動作もLEDを繋げて確認します。


最後に確認OKのシールを基板に貼り、袋にラベルを貼って、商品と付属品を袋に詰めれば完了です。




【免責事項】
こちらを参照のこと。

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